
秋本会長による挨拶
令和7年10月30日(木)~31日(金)、東京都千代田区 ホテルルポール麹町において、当協会主催「全国女性防火クラブの集い」及び「第24回応急手当普及啓発推進会議」を各都道府県女性防火クラブ連絡協議会会長、副会長及び役員の総勢150名を迎えて開催いたしました。
本会は、平成25年12月成立の「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」の中で女性防火クラブが重要な存在として初めて法律に定義したことを受け、新たな決意のもと、全国の女性防火クラブの代表者が一堂に会し、日頃の活動の活性化と組織の普及を図ることを目的として毎年実施しています。
-1日目―
【全国女性防火クラブの集い】
『開会挨拶』

高橋副大臣による来賓挨拶
はじめに、(一財)日本防火・防災協会 会長 秋本 敏文より主催者挨拶をし、続いて、総務大臣挨拶を、高橋 克法 総務副大臣が代読されました。
「女性防火クラブの皆様には、日頃から地域の安心・安全のため防火対策にお取り組みいただき、ありがとうございます。今年も日本各地で多くの災害が発生しております。皆様には住宅用火災警報器の普及啓発や、地域の防災訓練など、地域の防災力の向上に大きく貢献をしていただいております。多様化する災害に立ち向かうためには、地域の防災力をより一層充実することが重要です。総務省としても引き続き、女性防火クラブの活動を支援してまいります」と述べられました。
『日本防火・防災協会 会長表彰』
受賞者

- 富山県女性防火クラブ連絡協議会 会長
寺﨑 いくえ 氏 - 愛知県女性消防クラブ連絡協議会 会長
小森 多美子 氏 - 広島県女性防火クラブ連絡協議会 会長
竹下 純子 氏 - 宮崎県女性防火クラブ連絡協議会 会長
茜ヶ久保 眞由美 氏 - 岩手県女性消防連絡協議会 副会長
佐藤 菊子 氏 - 富山県女性防火クラブ連絡協議会 副会長
馬場 友子 氏
令和7年度日本防火・防災協会会長表彰の表彰式が行われ、秋本会長より記念品とともに授与いたしました。


-講演-
山﨑 登 氏による講演 『地域の防災力を高める~阪神・淡路大震災から30年~』

山﨑氏による講演
国士舘大学 名誉教授 山﨑 登 氏より、「地域の防災力を高める」と題し、講演を行っていただきました。
阪神・淡路大震災の教訓として、「安全神話の崩壊」や「地震予知の限界」を指摘。特に、建物倒壊による「圧死」を避けるため、建物の耐震化こそが地震防災の根幹であると強調されました。災害が大きくなると防災機関の対応には限界があり、避難生活や復旧・復興を支える鍵は「地域の力」であると提言。また、「今まで大丈夫だった」と過小評価する「正常化のバイアス」を克服し、自分の命は人任せにしない「減災」の意識を持って、地域のリスクを知ることから始めることが重要だと締めくくられました。
-講演-
『住宅防火対策に係る最近の取組等』

渡辺 予防課長による講演
総務省消防庁予防課長 渡辺 剛 氏より、令和5年の火災死者のうち、7割以上が高齢者で、約4割が「逃げ遅れ」。出火件数は電気器具類が最多となっており、特に電気製品火災の約43%がモバイルバッテリーを含むバッテリー類によるもので、防炎製品のカーペットにより、モバイルバッテリー火災の延焼を食い止めた事例も報告されました。
設置から概ね10年が経過した住宅用火災警報器の点検・交換、感震ブレーカーの普及推進、ストーブなどの経年劣化した燃焼機器の点検・取替えの重要性などについて、講演をいただきました。
-ゴスペル亭パウロ 氏による防災落語-
「ペット防災落語」、「世界津波の日 濱口梧陵 稲村の火」

ゴスペル亭パウロ氏による防災落語
和歌山県出身の宣教落語家(防災士)ゴスペル亭パウロ 氏は、震災や豪雨災害の被災地で得た情報をもとに、独自に創作された防災をテーマに落語を日本各地で講演されており、知識だけでなく実践できるよう、生活で役立つ知恵を笑いの中で自然と防災知識が身につける落語をご披露いただきました。


-2日目―
【第24回応急手当普及啓発推進会議】
『(一財)救急振興財団 理事長による挨拶、救急講習会実施状況について』

佐々木 理事長
第24回応急手当普及啓発推進会議を開催し、(一財)救急振興財団 佐々木 敦朗 理事長よりご挨拶をいただきました。
「全国各地で『普通救命講習会』を実施していただき、ありがとうございます。
救命効果が高める必要な一連の行いを「救命の連鎖」といい、救命の連鎖は『心停止の予防』、『早期通報』、『一次救命処置』、『二次救命処置と集中治療』この4つの輪で成り立っています。
消防機関が到着する前にまず応急手当をしていただく。これこそが人命を救う、一歩だと考えております。今後とも私どもの事業にご尽力賜りますようお願い申し上げます。」と述べられました。
『救急講習実施状況』
- 鹿児島県女性防火クラブ連絡協議会 会長 藏薗 多鶴子 氏
- 奈良県女性防火・防災クラブ連絡協議会

鹿児島県女性防火クラブ連絡協議会

奈良県女性防火・防災クラブ連絡協議会
2名の方に発表をしていただきました。
『救急業務の現状と課題』

岡地 室長による講演
総務省消防庁救急企画室 室長 岡地 俊季 氏より、救急出動件数、搬送人員が年々増加しているなか、救急需要は10年間で約28.9%増加したのに対し、救急隊の増加は約7.7%に留まり、結果として病院収容所要時間が10年間で6.3分延伸している。搬送人員の半数以上は高齢者。
対策として、救急車の適切な利用を促す「救急安心センター事業」や「Q助」アプリの普及推進。さらに、救命効果を高めるため一般市民による応急手当の普及の重要性などについて、講演をいただきました。
『閉会』

閉会挨拶をする髙尾 理事長
最後に、(一財)日本防火・防災協会 理事長 髙尾 和彦 が閉会の挨拶で、日頃地域で活躍されている全国の女性防火クラブ員の皆様へ感謝を述べて2日間の会議を終了いたしました。





